変化と多様化が進む葬儀

葬儀の変化と多様化の背景

つい50年前までは、葬儀は都会のそれほど広くない家でも、家で行う事が一般的でした。
また団地等では、集会場で営まれる事が普通でした。
しかし家や集会場で葬儀を営む場合には、葬儀社が式典の段取りを進めますが、食事等は近所の人が手伝って作ると言った様に、隣近所の方が葬儀に関わる事が多いものでした。
こうした葬儀は、遺族が葬儀の儀式以外に隣近所の方に気を使い、とにかくバタバタと大変でした。

この大変さが、大切な人を亡くした遺族が寂しく落胆し過ぎるのを緩和する役割を果たすため、こうした習慣が定着していたと言われています。
しかし次第にこうした濃密な隣近所との付き合い方が減少する中で、葬儀会館で葬儀を営むという変化を遂げて来たのです。

そして、現在では少子化の影響や、考え方が合理的になった事等が影響して、多くの参列者を迎える一般の立派な葬儀から、ごく親しい人だけで故人を送る小規模な葬儀・地味な葬儀を選ぶ方が増え、多様化しているのです。

また孤独死に象徴される様に、家族がすでに居られない方も増え、通夜・葬儀を営まない直葬も増え続けているのです。

そして最近課題となっているのが、火葬場の不足です。

毎年160万人程度が亡くなる現代ですが、大都市では火葬場を新たに建設する事が出来ず、そのために、亡くなった翌日に通夜、そして翌々日に葬儀と進める事ができず、火葬場が空くのを3,4日待つ必要が生じている所が少なくないのです。
このため、葬儀会館の安置場ではなく、冷蔵機能がある施設に通夜・葬儀までご遺体を預けざるを得ないと言う事が起こっているのです。

こうした変化は、今後葬儀のあり方に変化を与えると思われています。

多様化した現在の葬儀の種類

現在の葬儀は、葬儀会館で営むのが主流ですが、その種類は従来の様に多くの参列者を招く一般の葬儀、家族・親族を中心にした小規模な葬儀の家族葬、通夜式を行わず葬儀のみを行う1日葬、そして火葬場で簡単なお経を頂くだけの直葬があります。

家族葬が増えて来た事で、家族葬専用会館が増えていると共に、一般の葬儀会館でも家族葬プランを用意して対応している所も少なくありません。
家族葬は従来の葬儀の流れと変わらず、しかも費用が非常に安くなる事から選択される方が増えているのです。
家族葬専用会館での葬儀が安くできるのは、会館建設に当たっても華美を廃し、実質本位にしており、その点から割安になるのが1つの要因です。
また20名程度の少人数の参列者を想定して式場が造られており、式場が狭く、それによって葬儀社に支払う金額で多くなウエートを占める祭壇が小さなもので済み、費用を安くできる点も大きな要素です。
決して何かを大幅にケチって安くなっているのではなく、葬儀が侘しすぎると言う事もありません。
ただし、近所の方等に参列してもらえないのが欠点で、これをカバーするため、通夜式の後にお別れ会として焼香のみを受ける事が出来る家族葬も増えつつあります。

無理をする事無く、自分達の事情や予算に応じた葬儀を営めると言う点では、過去に比べて葬儀事情は良くなっていると言えるかも知れません。

ただし、前項で記載した火葬場の不足が深刻化する事で、現在の葬儀事情がさらに変化・多様化して行く事も考えられます。

臨終から通夜・葬儀の流れと注意点

病院に入院していて臨終を迎えた場合には、葬儀社を選び、ご遺体を葬儀会館の安置場に遺体搬送してもらうところから始まります。
この時、注意するのはどこの葬儀会館でどんな葬儀を営むかで費用が大きく異なるため、早期に遺族がイメージを合わせて決める必要があると言う点です。

また突然死の様な場合には、医師と警察によって不審な点がなく病死であると判断されるまでは、ご遺体を移動させる事が出来ないという事も注意する必要があります。

葬儀会館にご遺体が安置されると、そこで通夜・葬儀の日程や数ランク用意されている祭壇棺等の品を決めます。

これも費用を大きく左右しますので、葬儀社の意見は参考にするのは良いですが、最後は自分達の意思で決める事が大切です。

通夜式が近づくと、納棺士によりご遺体が清められ、棺に納められ、祭壇の前に移動されます。

定刻になると、僧侶が入場し、お経を頂き、焼香して式は終わります。

通夜式後の食事は、関西では遺族だけで、関東では参列者に通夜振舞して行われる違いがあります。

葬儀当日は、式次は参列してご存知の通りで、霊柩車を先頭にしてマイクロバス等で遺族がそれに続いて火葬場に向かいます。
そこで、最後の短いお経を頂き、合掌して火葬炉に棺が納められます。

2時間ほどして焼骨となると、骨上げをして葬儀はすべて終了します。

なお焼骨になるのを待つ時間に精進落としの食事を摂ることも多いものです。

家族でも一般の葬儀でも流れは同じで、1日葬は通夜式を省略するものです。

また直葬は火葬場での儀式だけで故人を送るものです。

火葬に臥すのは、法律で死後24時間経過しなければならないと定められているので、直葬の場合には注意が必要です。